りょうたは動物園に来ていた。
ここに来るのはりょうたにとって5度目である。

裕子と別れる前まではよくここに来ていた。

裕子は無類の動物好きで、デート場所に困ると決まってこの動物園にやって来た。

そんな思い出の動物園に来るのも今日で最後だ。

ここに来ると楽しかった思い出がよみがえってくる。

裕子はいつも決まってサル園でサルたちに餌をあげていた。

「見てみて!あのサル、りょうたに似てるね!餌あげないと!(笑)」

そんな声が今にも聞こえてきそうだ。

俺一人だと餌をあげることはなく、ただ黙ってサルを見ていた。

あの頃と変わらず、はしゃぐサルたちの姿に懐かしさと寂しさを感じる。

あぁ、横に裕子がいてくれたら…

裕子は何の前触れもなく俺に別れを告げた。
いや、前触れはあったのかもしれない。
俺がそれに気づけなかっただけだ。

とにかく裕子は俺のもとを去ってしまった。

他に好きな人ができたらしい。

その人がどんな人なのか。
裕子が今どこで何をしているのか、何一つわからない。

それでも裕子のことがまだ好きだった。
そんなことではダメだと自分でもわかっていた。

今日ここで裕子との思い出ともお別れを告げる。

クジャクのコーナーにやって来た。

いつ来ても羽を広げてくれなくて、本当にクジャクなのかと二人でよく話した。

最後に2人で来たとき、ようやく羽を広げてくれてかなりはしゃいだっけ(笑)

その時撮った写真は何枚もある。

今日、1人で見る最後のクジャクは羽が閉じていた。

むしろこっちの方がいつものクジャクで懐かしい。

他にも、動物ふれあいコーナー、爬虫類コーナー、なぜか、昆虫コーナーもあった。

そのすべてに裕子との思い出が詰まっていた。

すると、本日特別公演として、韓国から来たアイドルがミニコンサートをするという放送が流れた。

来たアイドルはIKONというらしい。

韓国のアイドルには興味もないし、裕子との思い出もない。

無視してじっくり最後の動物園を満喫しよう。

そう思っていたのだが、聴こえてきた曲に心を打たれた…

その曲はIKON“LOVE SCENARIO”

初めて聞く曲なのに、感情が揺さぶられる…
“LOVE SCENARIO”の楽しい雰囲気と切ない歌詞にりょうたの心情が重なった。

そうだ。

裕子を愛した。

裕子と出会って、消すことができない思い出ができた。

それは見る価値のあるメロドラマのようで、まずまずの結末を迎えて、

俺にはそれで十分で。

俺たちの最後のページを閉じて、静かに幕をおろそう…

歌詞と俺の気持ちが見事にリンクして、IKONというグループのことが気になった。

IKONの公演会場まで近づいてみるとすごい人だかりだった。

この動物園で一番人気のパンダ“ぺんぺん”よりも人を集めている。

ぺんぺんを見てみると、人気をとられて切ないが、IKONの曲を聴き、いい気分になっている複雑な表情をしていた。

その後もIKONが披露した曲は良い曲ばかりで、完全にIKONにはまってしまった。

帰りにCDを買おう。

たくさん買おう。

りょうたはそう決意した。


spidey@0622

こんにちは! K-POPに人生を捧げている男、スパイディーです。 K-POPが好きすぎて大学時代に1年間の留学経験、韓国語能力試験高級を取得!現在は就職せずに、韓国でワーキングホリデー!生粋の韓国大好き人間です! 生年月日:1997年3月21日 性別:男 好きなアイドル:IU、CNBLUE 好きな食べ物:マクドナルド

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