よしこは枕工場でパートとして働いている。

週に5回の出勤で朝9時から夜5時までの8時間、ずっとクッションに枕カバーを付けている。

座りっぱなしの作業なので腰を悪くしているが、病院に行くお金もなかった。

そんなよしこはそろそろ40歳になる。

大学卒業後、就職活動をするも納得いく結果は出ず、3年ほど就職活動を続けたが、最終的にこの枕工場のパートに行きついた。

こんな人生の女にいい男なんかいるはずもなく、いまだに彼氏ができたこともない。

そして女友達すらいなかった。

よく連絡していた友達もしばらく連絡をとっていない。

それに、こんな生活を送る自分が恥ずかしく、友達がいたとしても会いたいとは思わないだろう。

今はそういう時代だし自分のような人は多いだろう、と言い訳する毎日を送っていた。

よしこはこのパートを初めてもう20年近くなる。

この世界ではもうベテランだ。

この世界といっても枕工場の中だけなのだが、よしこにとっては唯一の世界だった。

よしこの枕カバーを取り付ける速度に勝てる従業員は他にはいない。

「どうやったらそんなに早く枕カバーを付けれるんですか?」

新人にこの質問される時、よしこが1番優越感に浸れる時だ。

「コツはリズムに乗ることよ」

「リズム?」

「そう。リズム。」

「まず、枕がどういう向きで流れてくるのかをあらかじめ確認しておく。枕はどんどん流れてくるから、その作業は素早く行うこと。

そして、枕カバーの角と枕の角を一瞬で合わせる。これは経験で補うしかないわね。」

「なるほど、、、リズムですか」

「そう、リズムよ」

その時、枕工場の近くで音楽が鳴り響いた。
すぐ近くのコンサート会場から音が漏れているようだ。

「誰かのコンサートが始まりましたね。今頃、観客たちは幸せの絶頂なんだろうなあ」

「私たちには関係ないわ。さあ、枕が流れてきた。仕事を始めましょう!」

リーダーのようなポジションであるよしこは同じパートメンバーを鼓舞し最後の仕事にとりかかった。

しかし、どうも集中できない。

しばらく作業を続けていたのだが、テンションの上がる音楽が鳴り響く中ではどうしても気が散ってしまう。

「観客の声援、すごいですね」

「そうだね~」

新人たちも集中できずにいた。

音漏れからして相当な観客を動員しているコンサートなのは想像できた。

人気なのも納得で、聴こえてくる曲のすべてがJ-POPが成せるクオリティーの音楽ではなかった。

さっきから聴こえてくるどの曲も最高に良い。

すると集中できていないにも関わらず、作業効率が上がっていることに気付いた。

流れてくる枕が通常の倍のスピードで仕上がっていく!

理由はすぐにわかった。

同じ職場で働く新人たちがリズムをつかんでいるのだ!

私が20年かかったリズムをこんなに早くリズムをつかむなんて!

その時流れていた曲はBLACK PINK “AS IF IT’S YOUR LAST”

この曲のリズミカルさと4人の歌声が見事にマッチしたハーモニーに私を含め全員が酔いしれていた。

そして、酔いしれながらもノリのいいリズムにより勝手に手が動き作業スピードが上がったのだった!

工場長はBLACK PINKの曲に聴き入ってしまいその成果に気付いてはいなかったが、この工場では歴史的な事件である。

私はその事実に気づき、すぐさまある制度を提案した。

この枕工場で常にBLACK PINKの曲を流すという制度だ。

そしてこの制度は通った。

よしこはそのアイデアを高く評価され正社員になった。

さらに枕工場は効率の良さから業界トップの地位になった。

それもすべてBLACK PINKのおかげである。

「BLACK PINK 最高!!!」


spidey@0622

こんにちは! K-POPに人生を捧げている男、スパイディーです。 K-POPが好きすぎて大学時代に1年間の留学経験、韓国語能力試験高級を取得!現在は就職せずに、韓国でワーキングホリデー!生粋の韓国大好き人間です! 生年月日:1997年3月21日 性別:男 好きなアイドル:IU、CNBLUE 好きな食べ物:マクドナルド

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です