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このタイミングで聴くと最悪シリーズ~BLACK PINK “STAY” 編~

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 これは「このタイムミングで聴くと最高シリーズ~BLACK PINK "STAY" 編~」とつながった内容になっています!

こっちから読んでみてください! ↡↓

このタイミングで聴くと最高シリーズ~BLACK PINK “STAY”編~


午後の10時になった。

 

いつものように集合場所に向かう。

 

玄関を出る瞬間、一瞬後ろを見てみたら、美咲はなにげなくスマホを見ていた。

 

いつもと変わらない日常だ。

 

「じゃ、行ってくるね」

 

「…うん」

 

家を出ると、途端に肌を刺すような寒さが押し寄せてきた。

 

急いでマンションのエレベーターに乗って1階の駐車場に降りると、くたびれた革ジャンを着たたくやが待っていた。

 

「おせーぞ!」

 

まだたくやの車までは遠いのに大きな声で俺に怒鳴りつけてきた。

 

「わるいわるい」

 

車に乗り込むとすぐに出発した。

 

「いつものバーでいいんだよな?」

 

もう向かっているにもかかわらず目的地を確認してくる。

 

最初から俺の意見など聞かないスタンスのたくやは、今日も強引にスピードを上げた。

 

「ところでさ、お前の彼女ってお前の夜遊びのこと、どう思ってんの?」

 

「どうって、そんなのなんとも思ってないでしょ」

 

「なんでそう思うの?」

 

「だって別に何も言ってこないし、なんなら家に帰ると家事全部してくれてるんだぜ」

 

「神彼女だな」

 

「まじでな」

 

車がスピードを落とした。

 

行きつけのバーが近づいてきたみたいだ。

 

いつもの駐車場に車を止め、バーに向かった。

 

カランカラン♪

 

「いらっしゃい」

 

ひげをそらないマスターがいつもの笑顔で出迎えてくれた。

 

「やっほー。ジントニック2つで」

 

たくやは30になってもバカみたいな挨拶でマスターに注文をする。

 

フレンドリーというべきか。

 

まあ俺から見ればただのバカだな。

 

そんなどうでもいいことを考えていると、マスターが俺の方をみて尋ねた。

 

「こんな毎日ここに来たら彼女さん寂しがっているんじゃないですか?」

 

しょっちゅう恋の相談をされているマスターからみると、俺が典型的なダメ男に見えたのかもしれない。

 

「そんなことないですよ(笑)。あいつ、ずっとスマホいじってますから(笑)」

 

「そうですか?意外と寂しいって言えないだけなのかもしれませんよ」

 

あまりピンとこなかったが、このまま恋愛相談が続くと面倒なので、「そんなもんですかねー」と当たり障りのないことを言って話題を変えた。

 

ずっと彼女のいないたくやにとってもこの話はつまらなかったらしい。

 

俺のふった“荒野行動”の話題に熱心に食いついてきた。

 

   *

 

もう日が昇りかけている。

 

寒さと朝は相性が最悪で、たくやはくたびれた革ジャンをはちきれそうになるほど体に巻き付けていた。

 

そんなことをするから、すぐくたびれるのだ。

 

マスターとたくやにお別れを言い、先にタクシーで家に帰った。

 

マンションの駐車場に着くと、料金を払って、急いでエレベーターに乗った。

 

寒すぎる。

 

8階のボタンを押し、上っている間、マスターの言葉を思い出した。

 

『意外とさみしいって言えないだけかもしれませんよ』

 

美咲には、してもしつくせないほどの感謝をしている。

 

もし寂しい想いなんかさせてたら、俺は美咲の彼氏失格だな、と笑った。

 

そんなわけないだろ。

 

同棲してるんだし。

 

8階につき、エレベーターのドアが開くと、また一気に寒さが押し寄せてきた。

 

「さっむ」

 

急いで扉の前に行き、玄関を開けた。

 

ガチャッ

 

扉をあけた瞬間、曲が聴こえてきた。

 

その曲がBLACK PINKの“STAY”であることはすぐにわかった。

 

美咲がBLACK PINKのファンだということは知っているし、BLACK PINKは俺も好きだ。

 

でもそんなことより、部屋の雰囲気が少し変だった。

 

「ただいま」

 

「…」

 

声をかけてみても返事がない。

 

すぐに部屋の奥に行くと、鏡の前で泣いている美咲がいた。

 

「なんで泣いてるの?」

 

「…」

 

返事はないが、表情がすこし明るくなったように感じた。

 

「大丈夫?」

 

「…」

 

やっぱり返事はない。

 

この時、またマスターの言葉を思い出した。

 

『意外と寂しいって言えないだけかもしれませんよ』

 

この時すべてがつながった。

 

きっと美咲は寂しさのあまり、BLACK PINKの“STAY”を聴いたんだ。

 

この曲は、寂しい感情を何倍にも膨れ上がらせる。

 

そんな曲だ。

 

だから、美咲は泣いているんだ。

 

そして、俺に会えて喜んでいる。

 

いままで、美咲の寂しさに気づけなかった俺は最低な奴だ…

 

「心配かけてごめんね」

 

「…!」

 

美咲が笑った。

 

やっぱり寂しかったんだ。

 

美咲を泣かせたのは、俺…そしてBLACK PINKだ。

 

BLACK PINKめ!

 

許さない!

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